こんにちは。
田中@TOKYOです。
更新が遅れました。すみません。
読書の秋、というにはまだ暑い夜が続いていますが、、、
皆さんは読書してますか?
私なんて、普段から本なんて読まず、
もっぱらケータイのアプリでマンガを読む、という体たらく。
ですが、
いやいや、マンガを侮ってはいけません。
クールジャパンの旗手たる日本の漫画文化は、世界に誇れるものがあります。
ということに加え、
今年は戦後75年という節目の年、ということもあり、
普段はあまり読まないジャンルなのですが、「特攻の島」という作品を読んでみました。
画風もちょっと苦手なタイプだったのですが、読んでいくうちにぐいぐい引き込まれ、
気が付いたら課金してました 笑
「特攻」と聞くと、思い出されるのは「神風特攻隊」ではないでしょうか。
たくさんの若い軍人が、片道分の燃料しか積んでいない飛行機に乗り、
米軍の空母に突っ込む、という、玉砕覚悟の攻撃(特別攻撃=特攻)。
これについては、同時に読んでいる「永遠の0」で勉強しているのですが、
海軍にも、同じような特攻兵器が存在していました。
「回天」という、魚雷に操縦席を付けた兵器です。
これに乗り、米軍の駆逐艦や空母に体当たりするというものです。
命中すれば必死の兵器です。
どんな気持ちでそのような兵器に乗り、命を散らせていくのか。
海の中、目視できない状態で、敵の船にぶつける、ということ自体、
かなり難易度が高い作戦ですので、
志願した若者たちは、毎日来る日も来る日も、その回天の練習をするわけです。
成功したら玉砕。生きて帰ることはできません。
命散らす覚悟で出撃しても、トラブルがあったりしてエンジンが動かず、
戻ってくる者も幾人かいたようで、
上官から心無い嫌味を言われたりするのです。
「おめおめと帰ってくるなど、帝国軍人ではない」と。
主人公は渡辺という男です。
彼は絵を描くのが趣味で、ことあるごとに自画像を残していました。
自分が生きた証というか、軌跡のようなものを残したかったんでしょう。
終戦直後、彼の上官と、最後に作戦を共にした潜水艦の艦長が、
二人で渡辺のスケッチブックを見ながら話すシーンがあります。
「彼は英雄ではないが、そこにしっかりと生きていた」
と上官はつぶやきます。
上官自身、自決しようとしたのですが止められ、療養生活を送っている状態でしたが、
渡辺の形見であるスケッチブックを見せられ、
「この事実を後の世に伝えなければならない」と思うのです。
「永遠の0」でも、「特攻隊はテロリストだ」と言った記者に対し、、
当時特攻隊員だった老人が「メディアが戦争を煽った」と憤慨するシーンがあります。
お国のために、と、恐れずに敵に突っ込んでいくことが賛美され、
皆が特攻隊に志願して死んでいった、って、
そんなわけないだろう、と思います。
今も昔も、命の大切さは変わることがないと思うのです。
それは、渡辺が最後に出撃する前の夜、波止場で上官と話をしたときにも表れます。
上官は、「貴様たちは私の子供同然だ。子供に先逝かれて悲しくない親がどこにいる?」
と、涙を流して叫ぶのです。
本当は怖くて仕方ない、誰だって死にたくないに決まっているし、
「死になさい」と命令する側の辛さも想像がつきません。
人間の営みの根本を揺るがす、戦争のおそろしさ。
それを、私たちは決して忘れてはいけません。
私は、この「特攻の島」を、
「私が推すマンガ三本の指」である、
「銃夢」「寄生獣」「AKIRA」
に追加し、今後は「私が推すマンガ四天王」と呼ぶことにいたしました。
それくらい、心を揺さぶられる作品でした。
皆様もよかったらどうぞ。
そして、平和の意味をかみしめていただければ、と思います。
T.H